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宇治・白川玉露 『手』


先月、宇治白川にお客様をお連れして茶摘み体験をさせていただいた園主・辻喜代治さんが、
その仕上がった玉露の荒茶を持参してくださいました。

待ちに待ったお茶を開封すると、高級な実山椒のような、
或いは沈香や伽羅のような高貴なお香のような香りが真っ先に私の鼻に飛び込んできました。

お客様がご自身で摘んだお茶を、最高の状態で愉しむ・・・。

そもそも今回の企画を思いついた経緯は、
以前辻さんの御自宅でいただいた白川玉露の感動がきっかけのひとつでした。

手摘みから仕上げた玉露は製茶工程もほどほどで、茎もかなり混在していました。
見た目は決して美しいとは言えない粗っぽい仕上がりでしたが・・・、

香りは、鼻先から脳を突き抜けていく高級なお香のような香りがしました。
火入れ(焙煎)も抑え気味で、この芳香を実に上手く強調していました。
辻さんは「これが“白川の覆い香”です・・・」と説明してくれました。

現在、椿堂の店頭に並んでいる玉露は、
濃厚な旨味があってインパクトの強い味が主体で、
京田辺・宇治小倉・宇治田原・綾部などの京都府産のラインナップですが、
この爽やかな清香を放つ宇治白川の玉露はとても新鮮で心地よい余韻ののこるものでした。

碾茶(抹茶の原料)の生産を主とされている辻さんは、
全国茶品評会で一等一席(農林水産大臣賞)を受賞されるなど
日本を代表する茶農家のおひとりです。
以前には、伏見稲荷大社御鎮座1300年記念の奉納抹茶や
毎秋の東福寺一華院での特別茶席で最高級の抹茶をお世話いただいております。

今回は久方ぶりの玉露製造というかなりの無理をお願いしての企画となりましたが、
今ようやくそのお茶の出来をみるときを迎えました。



今までに辻さんとは、幾度となくテイスティングを交えたことがあります。
彼はお茶づくりの名人であると同時に、お茶利きの達人でもあり、
茶業者(生産・製造・販売を含む)のあいだで競う茶審査技術競技大会においても
毎年優秀な成績を残されています。

私もまぐれで全国大会の舞台をご一緒させていただいたことがあり、
茶の鑑別や、品質の良否について教えていただいたことがあります。

そんな辻さんとともにテイスティング。
舌上をすべらせる音をズルズル鳴らしながら香味を確かめます。

素朴でさっぱりとした雑味の少ない上品な口あたりは、
手間暇のかかったクオリティーの高さを物語っています。

特筆すべきは先程から幾度となく述べている高貴なお香を彷彿させる香りです。
今や生産高が激減している宇治玉露の中でも本当に稀少な白川玉露の証しともいうこの香気。

皆さんで摘んでいただいた30?の生葉は、当初の予想を下回り3500gの荒茶しか
仕上がりませんでした。歩留まり(精選率)はなんと約12%です。
これは平均的な煎茶の約20%、碾茶の15%前後からみてもかなり贅沢な茶葉であるといえます。

というわけで、今回の宇治・白川玉露『手』は30g缶入を100缶限定でのご提供を予定しております。
まさにプレミアム玉露です。


  ■宇治白川玉露『手』 30g缶/3000円(税別・10月下旬販売予定)

  ※100缶の数量限定ですのでお早めのご予約をおすすめ致します。
  ※ご注文問い合わせは 075-644-1231 または shop@tsubakido.com まで 


これから、私の仕事は5℃の冷蔵庫で熟成をすすめ、香味の精度をさらに高めて行くことです。
そして、10月下旬にはお披露目茶会『Salon de 手』の開催を予定しております。

皆様には、今暫くのお待ちを宜しくお願い致します。
author:, category:茶のこと, 10:19
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